本編の概要
本書は、著者も「あとがき」で書いているように。二〇一〇年五月にマガジンランド社から刊行された『天空の星たちへ 日航123便あの日の記憶』を親本とし、その復刊版として河出書房新社から刊行されている。 本書では、かつてともに乗務したことがある日航機123便の客室乗務員の仲間を含めて亡くなられた乗員・乗客への鎮魂の想いが強く表に出ている。その想いから事故の真相追求の不徹底への怒りや不満が湧き出てきて、やがてそれが疑惑へとつながっていった過程を率直に語っているという印象をもった。 とはいえ著者が最初にマガジンランド社から親本を出したのは二〇一〇年五月であり、その時点で日航123便墜落からすでに四半世紀が経過していた。「事故」が起きた一九八五年八月十二日、著者は品川区港南の日航の客室乗務員女子寮(通称 スカイハウス)にいて、翌日からの国際線乗務に備えていた。「事故」を食堂のテレビに流れる午後七時過ぎの臨時ニュースで知った。それからしばらくして各部屋にある黒電話のベルが一斉に鳴り出したのだ。家族からの問い合わせの電話だった。本人不在の部屋の呼び出し音がいつまでも鳴り止まなかったのを覚えている。
|