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エマニュエル・トッド『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』上巻・下巻

(文藝春秋社 2022年10月26日刊)

著者紹介・目次|上巻概要|下巻概要Ⅰ|下巻概要Ⅱ

著者紹介・目次


著者紹介

 エマニュエル・トッド
 1951年生まれ。出自はユダヤ系フランス人であるが、非宗教的な環境で育てられたと著者自ら述べている。歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に予言。著書に『ェマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)、『ドイツ帝国が世界を破滅させる』『シャリルとは誰か?』『問題は英国ではない、EUなのだ』『老人支配国家日本の危機』(いずれも文春新書)他多数。

目次(上巻 副題:アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか)


 日本の読者へ――政治学、経済学ではわからない現代社会
 
 序 章 家族構造の差異化と歴史の反転
   経済的な謎はない
   先進諸国の危機
   社会の意識、下意識、無意識
   経済と政治、教育、家族と宗教
   意識の時間、下意識の時間、無意識の時間
   家族システムの桐密化、および特定の傾向を示す差異化
   歴史の「反転モデル」
   歴史を説明するよりも、正確に記述すること
   分岐の原則
   帝国主義とフェミニズム
   不可能な未来
   近代史の中心は英語圏
   ドイツと日本が提示する真の問題
   過去へ向かって前進
   家族類型の略述
   歴史における直系家族と長子相続制の役割
 第1章 家族システムの差異化――ユーラシア
   新石器革命
   ユーラシアにおける核家族から共同体家族への変容
   ヨーロッパ、日本、朝鮮における直系家族の発生は遅かった
 第2章 家族システムの差異化――先住民たちのアメリカとアフリカ
   先住民たちのアメリカ
   ニューギニア
   サハラ以南のアフリカ――方法とイデオロギーの問題
   マードックの民族学地図
   西アフリカの共同体家族
   東アフリカの高地に見られる不完全な直系家族
   アフリカ南部の旧い形態――「母系制ベルト」と女性のステータスの高さ
   一夫多妻制と北西部から南部にかけてのその段階性
   エイズの防壁としての父系制
   南東部で最近起こった父系制への革新
   結論にかえて――原初ホモ・サピエンスの核家族と柔軟性
 第3章 ホモ・サピエンス  
   原初的カップル
   集任地、群棲、村、民族
   ローカル集団の柔軟性
   家族は外婚、民族は内婚
   家族レベルの穏健な外婚
   近親相姦のタブーは原初的だ――ウェスターマーク効果
   一般概念としての未分化性
   原初のケルト人、ゲルマン人、スラブ人
   諸民族への分割――相対的アイデンティティという概念
 第4章 ユダヤ教と初期キリスト教――家族と識字化
   原初ユダヤ人の核家族
   新アッシリアおよび新バビロニアの時代――長子相続と父系制
   ヘレニズム時代、次いでローマ時代――双系性への逆行
   ユダヤ民族の母系制という騙し絵
   ユダヤ教の教育における父系制
   双系システム
   ユダヤ教の穏健な外婚制
   ユダヤ人家族の正真正銘の革新――子供たちの保護
   原初のキリスト教
   キリスト教による革新1――厳格な外婚制
   キリスト教による革新2――フェミニズム
   キリスト教による革新3――アンチ性行為
   キリスト教による革新4――極限経験としての貧しさ
   天国は真の報いか?
   二つの一神教とそれぞれの家族
   普遍の二つの段階
 第5章 ドイツ、プロテスタンティズム、世界の識字化
   プロテスタンティズムから識字化へ
   直系家族と文字表記
   直系家族からプロテスタンティズムヘ、そしてその逆
   直系家族から識字化へ
   識字化とドイツ父系制の強化
   スウェーデンとロシアの軌道
 第6章 ヨーロッパにおけるメンタリティの大変容
   「西洋的結婚モデル」、性を拒否するキリスト教の 「遅い」勝利
   規律への道
   未分化親族システムの破壊
   親族綱に敵対するプロテスタント的な内面の目眩
   プロテスタントの軍事国家と初期ナショナリズム
   経済的離陸へ
    解くべき歴史的問題――直系家族の比率(あるいは連続変数としての家族構造)
 第7章 教育の離陸と経済成長
   なにゆえドイツでなく、むしろイギリスなのか
   直系家族と産業化
 第8章 世俗化と移行期の危機
   平等性なきカトリシズム―― 一八〇〇年~一九六五年
   プロテスタンティズムの崩壊―― 一八七〇年~一九三〇年
   宗教の崩壊とイデオロギーの時代
   移行期の危機とイデオロギー
   家族構造とイデオロギー
   宗教とイデオロギー
 第9章 イギリスというグローバリゼーションの母体 
   本質主義の袋小路
   イギリスにおける家族と集団
   国家と家族
   イギリス史における複数のサイクル
   過去へのさらなる遡及――田園地帯に残されたローマの痕跡
   イギリスの荘園
   未分化核家族から絶対核家族へ
   一五五〇年~一六五〇年の間の変容
   個人主義における内面化
   イギリスにおける家族内の自由と政治的支配
 第10章 ホモ・アメリカヌス
   純粋な核家族性への回帰
   理念型としての絶対核家族――一九五〇年~一九七〇年
   核家族性の理想と宗教熱の高まり
   移民現象の限定された効果
   米国における外婚制
   ホモ・アメリカヌス、ホモ・サピエンス
   黒人バージョンのホモ・アメリカヌス

目次(下巻 副題:民主主義の野蛮な起源)

 第11章 民主制はつねに原始的である
   民主制を脱中心化すること
   西ヨーロッパにおける代表制的諸制度の残存と開花
   イギリス式寡頭制から米国式民主制への移行は人種感情に依存した
   エスニックな民主制という概念
   アメリカの具体的普遍、フランスの抽象的普遍
   つねに原始的な民主制
 第12章 高等教育に侵食される民主制 
   第二次教育革命――一九〇〇年~一九四〇年
   民主制の最盛期
   第三次教育革命とその停止
   停滞の歴史的意味
   教育上の不平等再来
   イギリスにおける不平等、
   アメリカにおける不平等
   現実を暴露したベトナム戦争――「労働者階級の戦争」
   アカデミア――不平等製造マシン
   結果としての経済的不平等
   イデオロギーの変化、政治的危機、そして物質的不平等の拡大
   自由貿易と不平等への「摂理のような」前進
 第13章 「黒人/白人」 の危機
   人種差別撤廃
   白人民主制の動揺
   初等および中等教育修了者における人種感情の存続
   福祉国家に逆らう人種感情‡共和党
   民主党の適応――ジャズと刑務所
   人種的反動の病的次元――黒人大量収監
   黒人コミュニティの階層構造
   「白黒」で見る新自由主義の強制収容所
 第14章 意志と表象としてのドナルド・トランプ
   トランプへの投票の合理性
   教育における社会階層化と政治的選択
   エリート層の城塞――シリコンバレーとアカデミア
   経済的対立が人種的対立に取って代わる
   人種概念の過剰強調とクリントンの帝国主義的構想
   クリントン陣営による黒人有権者層の掌握――エリートたちのもうひとつの裏切り
   民主党のヒスパニック問題
   民主制の失地回復はつねに外国人恐怖症的
   国家構想に対抗する世界構想
   絶対核家族の凋落と若者の巣立ちの困難
   米国の若者における外国人恐怖症への抵抗
 第15章 場所の記憶
   私の当初の想定――移行期の危機を経て核家族システムに収斂する
   一九九〇年代の移民現象――西洋における「分岐」
   資本主義のさまざまな型
   フランス――ネイションの下部構造を成す差異の持続
   さらばフロイト
   弱い価値観と諸国民の持続
 第16章 直系家族型社会――ドイツと日本
   ドイツと日本の出生率の低さ
   子供のいない女性たち
   父系制レベルの残存
   グローバリゼーションの要素としての第二の人口転換
     ――直系家族型社会の適応不全?
   教育における二つの直系家族型社会の分岐
   ドイツと日本の父系制、スウェーデンのフェミニズム
   集団意識の抵抗――ゾンビ・ナショナリズム
   経済的な有利さと人口危機
   外向きのドイツと内向きの日本
 第17章 ヨーロッパの変貌  
   ユーラシア大陸の末端における家族形態の多様性
   宗教的浸透の多様性
   ヨーロッパにおける不平等の勝利
   西への産業上の「電撃戦)」
   東ヨーロッパの、次いで南ヨーロッパの人口破壊
   ドイツの「人口学的」外交政策
   東への殺到
   橋をかけるには遅すぎる――父系制で内婚制の移民コミュニティ
   ポスト民主制のヨーロッパ――正常な世界
 第18章 共同体家族型社会――ロシアと中国 
   外婚制共同体家族から共産主義体制へ
   地域的差異の継続性――プーチンとルカシュンコ
   ロシアの復活――人口学的証拠
   ロシアの出生率
   親族システムの変異?
   英米世界のアンチテーゼ
   軍事への専門化と諸国民の平等
   イデオロギー的オブジェとしての中国
   人口学者の懐疑
   中国とその他の地域で持続する父系的ダイナミズム
   場所の記憶――中国における権威と平等
   偶然としてのロシア、必然としてのロシア

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